アドラー心理学「承認欲求を満たすための人生」でいいの?|わかりやすく解説

ー3つのポイントー

1.承認欲求とは何なのか深く考えてみるよ

2.SNSを使って承認欲求を満たすことが20代〜30代の中では一般的になっている

3.相手に認められたいがために自分の道を見失ってしまう事にならないよう、アドラー心理学の観点から説明するよ



朝礼で伝えるアドラー心理学」の第二回になります。前回は「自己決定性」について解説しましたが、今回は「承認欲求」についての話になります。

承認欲求という言葉が浸透して何年も経ちますが、その重要性は以前より理解されてきたもののまだ軽視されています。特に職場においてはより顕著でしょう。

特に今の20代〜30代の社員は他者からの承認を心の中で強く求めており、簡単に言うと「給料が上がるより認められる方が嬉しい」人が多いと認識しなければなりません。
もしあなたがその人達を指導していく立場にあるならば、いかに褒めて褒めて褒めまくる事が相手のモチベーションを高め信頼される事につながります。

ただし、その承認欲求を求めるとアドラー心理学で言うと「生きづらい人生になる」と説いています。
なぜ承認欲求を求めると生きづらいのでしょうか?

承認欲求とは何なのか

承認欲求

承認欲求とは「マズローの5段階欲求」の4番目に位置しています。マズローの5段階欲求とは

  • 生理的欲求
  • 安全の欲求
  • 社会的欲求
  • 承認欲求
  • 自己実現欲求

の5つでできており、承認欲求は「衣食住と身の安全が保証され、安定した生活ができるようになると欲しくなるもの」だと解釈して下さい。

昔と違い今は飽食の時代で、日本は衰退していると言われながらも食べるものがなく生きるのに苦労している人は少なくなりました。
さらにビジネスマンやパートの方であれば就職はできているので最低限の生活以上は保証されているでしょう。

だからこそ、職場で求められているのは「承認欲求」なのです。

アドラーは「承認欲求は捨てるべき」と提言している

しかしアドラーは「承認欲求は捨てるべき」と説いています。何故なのでしょうか?

それは、「承認欲求を求める事を優先する人生を歩むと、他者の言いなりになり自分の生き方ができなくなる」からです。承認されるということは、相手の求めに応じることです。

しかしそれは相手の求めることに何もかも反発しろと言っているわけではありません。
あくまで納得のいく選択を、自身の解釈で行ったかで判断し実行するべきです。

SNSの世の中でいかに「自分らしくあり続けられるか」

もともと日本人は義務教育で徹底的に周囲と協調性を持つこと「空気」の扱いを習得させられます。
そんな出る杭は叩かれる社会の中で、ツイッターなどのSNSは簡単に「いいね」がもらえ承認欲求が満たされるという魅力があるわけです。

しかしアドラー流に言うと「いいねをもらうために行動する人生は、自分の人生を歩んでいると言えるのか」となりますね。
これには賛否両論あると思いますが、私は自分の偽りのない良い人生の在り方をSNSにアップした結果それに共感されたりいいねされるのはアドラーの説く「他者貢献」につながると考えます。

人を励まし、前向きに進んでいく自分の姿を見てもらうことで周囲の人も明るくできたらそれはSNSの活用法として素晴らしいものではないでしょうか。

勇気を持ち承認欲求の檻から自分を開放しよう

アドラーは「勇気を持つべき」と何度も提言しています。自分は自分のままでいいという、自己を認める勇気を持つことで他者からの承認を必要としなくても幸せに生きることができると説きます。

私もこの考えには賛成です。「人から承認をもらうため」の人生から、「他者に貢献して与えていく人生」の方が素敵だと思います。

”今日これ”流は「人には与え、自分は求めない」承認欲求のあり方

100年前にアドラーが語った「承認欲求を捨てること」がこんなにも現代にマッチするとはアドラー本人も思っていなかったでしょう。

ですが職場でいきなり承認欲求を捨てなさいと言っても反発されるだけです。
自身は他者貢献の信念を持ちつつ、職場の仲間には褒めたり共感していく事でポジティブな感情をどんどん与えていく事が重要でしょう。

承認とは何か、を知ることで皆さんの人間関係とコミュニケーションがスムーズになり毎日の仕事がより楽しくなることを願っています✨