税込み表記義務化は正解だったのか?|小売店の苦悩と顧客目線

2021年4月28日

ー3つのポイントー

1.2021年4月から消費税の総額表示義務化が施行され、税込価格を必ず表記しなければならなくなった

2.表記の仕方によって安く見せる事もできるが、消費者目線で考えると総額表示してくれた方が分かりやすい

3.競合他社がチラシ等でどのような表記をしてくるかによって合わせていく攻防戦が繰り広げられているよ

2021年4月から「100円+税」といった表記ができなくなり、「110円(税込)」か「100円(110円税込)」といった必ず税込金額を記載しなければならない総額表示義務化が始まりました。

この制度には抜け道があり、簡単に言うと100円(110円税込)という大きさを変更する事で税別金額を目立たせる手法や110円(価格はお問い合わせ下さい)と値引きを強調する方法があります。

ただしこれらの方法は「安く見えてもお客様からの不信感を買いやすい・本当の価格が分かりづらい」諸刃の剣だとも言えます。皆さんも今まで消費税をあまり意識せずに商品を手にとって会計をし、税込価格で見てみると意外と高く感じてしまった…という経験はあるのではないでしょうか?

やはり顧客目線としては見やすい分かりやすい価格で表示して欲しいものですが、企業は企業で「競合他社が税別価格を前面に出しているのにウチだけ税込ズバリ表記のチラシだと高くみられてしまい集客ができなくなってしまう」というジレンマがあります。

さらに値段の付け方に関しても例えば10,000円より9,980円の方がなんとなく安く感じますよね?これは端数価格という価格設定の心理的テクニックですが、これを「9,980円(税込10,978円)」と表記した方が5桁の大台に乗らずに安く感じます。

こういった理由から、実にスーパー関連のチラシではほぼ全ての会社が税別(税込)表記になってしまいました。

一方ユニクロは税別表記を止め、「今まで税別価格だったものをそのまま税込価格にした」つまりずっと全品10%引きにしました。これは消費者に優しい素晴らしい英断だったと思いますが、今までと比べて全品10%引きなんてどこの業界も真似できるものではありませんよね。(もっともそれでやっていけるだけの利益をずっと取ってたんだとも思いますが…。)

個人的に思う事は、全ての企業が税込表記に統一し公平を保てるような仕組み作りを国が率先して行ってもらえればと思います。今のままでは税別価格を目立たせるような表記が横行するでしょうし、本当に消費者のためになっているとは思えません。

それと同時に近年利用者が急増しているサブスクリプションサービス、通称「サブスク」にも注意が必要です。

月額980円のサービスは言い換えれば「年額11,760円のサービス」です。ほとんどのサービスは縛りがなくいつでも退会できるようになっていますが「退会の手順が複雑」だったり「使わなくなっても退会するのをうっかり忘れてしまう」というのが問題ですね。

便利な商品やサービスは多くありますし買い物をするのは良いストレス発散にもなりますが、できる限り無駄にお金を払ってしまうような事にはならないようにしたいものです。