アドラー心理学の考え方|自己決定性について

ベストセラー「嫌われる勇気」で有名になったアドラー心理学をできるだけ簡単に解説
今回は「いかにしてアドラー心理学を分かりやすく人に伝えるか」をテーマにしています。
私自身アドラー心理学が大好きで人に伝えたりするのですが、残念ながらストレートに内容を説明しても全く共感してもらえません。
こんなに素晴らしい学問なのに…と悲しく思う事もあります。さらに朝礼は1分から長くて5分くらいしか時間がありませんので、しっかり解説している時間はないでしょう。
まず簡単にアドラー心理学の核となる部分を「あえてそのまま」記してみます。
・全ての問題は対人関係でできている
・共同体感覚は人間だけでなく動物・無機物・さらには宇宙全体にまで及んでいる
おそらくはじめてアドラー心理学に触れる方は「何を言っているかさっぱり意味がわからない」のではないでしょうか?私も最初はそうでした。
しかし何冊かアドラー心理学を読み、オーディオブックで復習していく事で全体が紐解かれ理解できるようになってきます。逆に考えれば「1分間スピーチでアドラー心理学の何たるかを解説するにはあまりにも時間がなさすぎる」と思います。
そこで、アドラー心理学の全体像を伝えるのではなくできるだけ分かりやすく朝礼で使える要素に絞ります。
なぜそこまでして朝礼でアドラー心理学を伝えるべきかというと、「人生が変わる程の衝撃を受ける可能性のある言葉と学問はそうそうない」からです。
それでは「自己決定性」について見ていきましょう。

自分の人生は自分が作ってきたと気付き、認めること
私も以前はそうですがコンプレックスやトラウマは誰にでもあるものです。但し、いじめられた過去のある全ての人が今も暗い性格ではないように「過去の経験によって今や未来の自分が決められたわけではない」と気付くことがアドラー心理学を理解する第一歩です。
毎日の人生が辛いと思っている方は、「毎日の人生が辛いのは自分でそう決めている」と認識すると世の中のあらゆるものが自分の考え方一つで変えられると分かるようになります。
例えば私は学生の頃、自分の身長の低さに悩んでいる時期がありました。「こんなに身長が低かったら女の子にももてないし人からはバカにされるし良い事なんて何もない」とコンプレックスにしていたのです。
しかし、今思えばそれは「自分で決めたこと」であってこの身長が低いというのは悪い面だけでなく「威圧感がなく話しかけやすい」というメリットがあったのです。
それに気づいてから私は身長が低いのはフレンドリーに接することができる最大の武器だと思いポジティブな考え方になった結果、今では美人の奥さんとかわいい娘2人に囲まれて幸せな人生を過ごしています。
大切なのは「人からどう言われたか」でなく「自分でどう決めたか」です。仮にお金がたくさんあったとしても不幸だと思えば不幸ですし、貧乏な生活でも毎日がハッピーだと思うことだってできます。
そして人から言われたことだけで自分の考えを決めていては、それは自分の人生を歩んでいる事にはならないとアドラーは説いています。
この自己決定性の原則を知ってから、私は毎日起きるのが楽しみになりましたし落ち込むことも無くなりました。
悩みがあるのは「悩んでいたいから」
毎日他人や世の中に愚痴をこぼし、恨みつらみを言い続けていると幸せな人生だと感じられる時間は短くなります。
そういう癖のある方は、「悩みが向こうからやってくるのではなく自分は常に悩みを探し回って歩いている」と思った方がいいでしょう。
不安や悩みを消すことができなくても、それをバネにしてさらに自分を伸ばすことだってできます。
例えば水泳の池江璃花子選手は白血病という重い病気に苦しみながらも決して諦めず、今では病気を克服し再び水泳選手として復帰しています。
アスリートだったから、特別な人だったからそれが成し遂げられたわけでないと私は思います。
「自分でそう決めたから」そうなったのです。
まとめ
・自分の人生は自分が決めている
・過去の経験や生まれ育ちは関係なく、自分がどう感じて決めたかが今の自分を作っている
・人に言われたことだけで行動を決めると自分の人生を歩んでいる事にならない
いかがだったでしょうか? アドラー心理学が生まれて100年経ちますが、むしろ情報の波が無限に押し寄せてくる現代だからこそ活かされてくる考え方が多く、とても考えさせられます。
またアドラーは「自分の性格は今この瞬間に変えられる」とも言っています。他人の考えと情報に流されず、自分の人生を自分で決めて毎日を送っていきたいですね。